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| アジア音楽マーケット 雑感 |
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| 菊池尚人 スタンフォード日本センター リサーチフェロー 社団法人音楽制作者連盟 研究員 |
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80年代以降、一部アーティストによって現地コンサートなどがしばしば開催されてきましたが、アジア音楽マーケットは、いまだ新規市場です。例えば、韓国で日本音楽が正式に全面開放されたのは04年1月のことです。他方、多くの国でライセンス販売が行われていることも事実でして、今年はじまった還流防止措置は、アジア諸国での販売が拡大していることの裏返しでした。アジア市場というと、海賊版がイメージされることが多いですが、中国政府などによる海賊版撲滅キャンペーンは、部分的には効果が現れていますし、ハリウッド映画などでは価格を数分の一に下げることで、海賊版を駆逐することを試みています。ただし、J-POPがアジアに広まるにあたって、海賊版が一定の役割を果たした時期もあったとの指摘があります。
アジアのコンテンツ市場の特徴としては、強い国の関与があげられるでしょう。中国では00年から外国ドラマ削減政策を行っています。一方、韓国はゲーム、アニメ、音楽などを対象にした500億円規模のファンドを政府が手がけてきました。また、ネットの急速な普及もアジア市場の特徴です。中国の携帯電話は05年春の段階で、3億5千万台に達しています。着メロは10%以上の普及と言われていますので、既に3500万人が利用していることになります。今後、第三世代携帯電話も広がりますので、着メロから着うたへのシフトもみられることでしょう。ネットプロモーションが生み出したヒット曲も今年になって現れたそうです。逆にマイナスの側面もあり、韓国は日本より先にブロードバンドが普及しましたが、違法なファイル交換が定着してしまい、既存のCDビジネスは大打撃を被っています。 日本のコンテンツでは、テレビドラマの影響が大きく、台湾では90年代に日本文化をまねる若者が現れ、社会的現象になりました。また、三年前の朝日新聞の調査によると、中国人の思い浮かべる日本人の第三位は、山口百恵さんでした。80年代中期に「赤い疑惑」がヒットした影響がいまだ続いているそうです。ちなみに、一位は小泉首相で、二位は田中角栄元首相でした。シンガポールなど各国でも、日本のテレビ番組主題歌としてJ-POPが多数ヒットしました。 J−POPはアジア各国の現地語でカバーされることが一般的です。現地語バージョンがヒットしてから、オリジナルがヒットすることもよくあるそうです。また、曲、衣装、振り付けなど多方面で非常に大きな影響を与えていると言われています。日本のアイドルをまねたユニットも近年、多く出現しているそうです。アジアでは、今はまだ音楽文化を根付かせ、同時にマーケットを作る段階だと感じます。ビートルズが世界で果たした役割を日本のアーティストがアジアで果たせたら、かっこよいです。 |
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